CLANNAD 全話制覇した

前々から CLANNAD は気になっていたので、DVD を借りて全部見てみた。1週間くらいかかった。2クールだし。
ちなみに、原作(ゲーム)はやってないから純粋にアニメのみの感想。
あとめっちゃネタバレになるので、その辺注意してください。

シリーズ構成

京アニのシリーズ構成に泣いた。いい意味でも悪い意味でも。
大まかにシナリオ順は「伊吹風子一ノ瀬ことみ藤林杏・椋≧坂上智代古河渚」こうなる。
風子を最初に持ってきたのは構成からしたら正しい。だけど3〜9話までの計7話消費してる。全体の約3分の1だ。そのため、杏&椋や智代の話が限りなく薄くなってる。渚に関してはラスト5話のみだ(要所々々で渚メインの話もあるが)。もうあと1クールあれば、と思ってしまう。惜しい。
だが先にも言った通り、この構成は正しい。
風子は(いろんな意味で)消えるシナリオのため、途中でいきなり消えるより先にあっさりと(全然あっさりじゃないけど)消えると何事も無かったかのように次に繋げやすいし、尾を引かない。だからことみのシナリオにすんなり入れる。これは良かった。
だけどその分だけ厚みが増してしまって、風子とことみだけで半分以上を占める結果になったが。

演劇シナリオ

例のロボットと女の子の話。渚の演劇でやったシナリオのアレ。
まだ1回しか見てないし、何話でこのシナリオが出てきたか把握していないので構成上の意味を推し量るのは今は無理です。
じゃなくてアレ単体の演出面で見ると、3D セルシェードレンダリング(トゥーンレンダリング)のレベルが半端無い。あの部分だけ全て 3D になってるのが恐れ入る。
あえて女の子さえも 3D にしたのはアレが「お話」であることを強調するために取った手段ではないかと思う。通常の 2D アニメではなく、3D にすることで本編との温度差を明確にしたかったところが目的ではないか。これは Kanon であった祐一とあゆの過去の記憶を流すシーンで、本編との差を色やブラーに頼っていたところを、動きの違和感を作り出して違いを計ったのかと思う。

主役を喰う脇役

恐ろしい。キャラが立ちすぎてる。春原・秋生・早苗の3人は他のどのキャラよりも明確に個性を発揮していた。これはキャラの設定とか、そんなんじゃない。阪口大輔・置鮎龍太郎井上喜久子それぞれのキャラ作りと持ち前の演技力が光っていた。
そんな中で朋也と智代は良かった方だと思う。他は悪いわけじゃないが、イマイチ個性がはっきりしなかった。特に椋はちょっと弱すぎた。キャラに引っ張られて押さえ込んだ感がある。
縁の下の力持ちではないが、春原・秋生・早苗がいたからこそメインが生きていた、そう言う雰囲気を感じた。

ラストに関して

正直言って失望した。こんな手垢どころかカビさえ生えてるであろう展開に泣いた。原作がそうなのか分からないが、演劇部室で朋也から切り出したのはどうにもいただけない。渚から切り出すのが(これまでのストーリーからも)正しいのではないか、そう思えた。
あとなんつーか、ガラじゃないって言葉がピッタリだと思う。
それと番外編「夏休みの出来事」は評価しづらい。ギャグアニメとして見ると至高な作品であることは確かだw

その他

Key にしては珍しく一貫したテーマ(家族)があることに驚いた。これ1本通すだけで(KanonAIR に比べて)ここまで良くなるとは思わなかった。まあ最後まで貫いて欲しかったが。。。


と言ったところか。面白かった。
京アニは丁寧に作ってくれるから安心して観られる。