セッション4「転ばぬ先のプロジェクトデザイン〜Web標準への準拠を見据えて〜」

プロジェクトデザイン

  • ゴール
  • コスト
  • スケジュール
  • ワークフロー
  • スタッフアサイ

最後の2点に関しては受注側でコントロールしやすい。

Web標準と言う言葉
Web標準に準拠すると言うこと
  • 道具としてXHTMLCSSを「適切に」使いこなす
  • サイト/コンテンツ本来の目的を見失わない
    • Web標準はツールであって目的ではない
    • コンテンツありき
Jesse James Garrett 氏のアイデア
Webサイトを5つのレイヤーで表現
  • surface
  • skeleton
  • structure
  • scope
  • strategy

基本的なワークフロー

プロジェクト全体が5つから構成され、重ならない独立したプロセスより、プロセスの重なりが有る方がよい

  • 現状把握/要求分析
  • 要件定義
  • 基本/詳細設計
  • 実装
  • 検品
現状把握/要求分析
要件定義
基本/詳細設計
  • モジュール/テンプレート制作
    • モジュール定義
      • Webサイトで使用するヴィジュアルデザインの最小単位
      • 見出しやリストモジュールと言った要素タイプ
    • ベースコーディング
      • モジュールのみで構成されたベースモジュールページを作成
    • テンプレート化
  • 設計内容の文書化
    • 設計状況をアウトプット
実装
  • 原稿とモジュール/テンプレートに従いマークアップ
  • 大規模プロジェクトでは新規モジュールの制作や既存モジュールのバグ修正を同時進行
検品
  • マークアップの文法的妥当性
  • 意図された視覚表現のターゲットブラウザにおけるCSSを用いた再現性
  • リンク切れの有無、リンク先の妥当性
  • 文言チェック(誤字・脱字なの)
  • (必要に応じて)アクセシビリティチェック etc

ワークフローで転ぶ時

段取り二分
  • とにかく時間がない(短納期)
  • 個々のプロセスに十分な時間が割けない
不十分なコミュニケーションルール
  • プロセス/スタッフ間で「いつ・何を」どのようなフォーマットでやり取りすべきか
中間成果物の品質
  • ヴィジュアルデザイン仕様
    • カンプだけ見ても分からない仕様はいつ、どのように確認する
      • マウスオーバなどの動きが有るデザインはどう確認するか
  • コーディング仕様
    • 実装プロセスに複数人が参加する場合、品質のばらつきをいかに避けるか
不十分なプロセス間の重なり
  • フローとしてうまく機能しない危険性
  • プロセス間で連携を密にすべき時期や理由を明確に共有でき
プロジェクト内レビューやクライアント承認の不履行
  • プロジェクト内レビューとクライアントレビューの順番を誤れば事故に繋がることもある
  • 確認不足のままプロジェクトが進行してしまうと、思わぬて戻りが発生するかもしれない

スタッフアサイ

The Nine Pillars
  • 戦略
    • User Research
      • 現状把握プロセス
    • Site Strategy
      • サイトの目的把握プロセス
    • Technology Strategy
      • サイトの技術的な要件定義プロセス
    • Content Strategy
      • コンテンツの様式・文体・トーンプロセス
  • Abstract Design
    • Strategy の吸い上げ・形成プロセス
  • 戦術
    • Technology Implementation
      • 基本詳細設計・実装・検品プロセス
    • Content Production
      • 原稿プロセス
    • Concrete Design
      • 有形デザインプロセス
    • Project Management
      • プロジェクト全体のプロセス

スタッフアサインで転ぶ時

各人の専門領域や守備範囲が不明確
  • 誰が、いつまでに、何をこなすのか
  • プロジェクト内「車輪の再発明
アサインが完全でないままプロジェクトがスタート

場当たり的な人のアサイン(プロセスが進むたび、新たなタスクが発生する都度

想定事例:転びそうになったら

  • 要件定義の際、古いブラウザでも意図した通りのデザインが要求された
  • すでに運用中にガイドラインが存在しており、Web標準に準拠した場合に不整合の発生が懸念される
  • StrictのDTDを採用することを決めていたのに、あとから既存コンテンツにtarget属性を用いたWebページの存在に気づいた
  • モジュール/テンプレート制作したあとになって、デザイナーから修正を依頼された
  • 実装フローに入っても、いつまで経っても新規モジュールの追加デザインが発生してしまう
  • CMS導入のためのプロジェクトにおいて、納めたテンプレートのマークアップにシステム担当者から異議が唱えられた
  • 実装担当者の制作スピードがなかなか上がらない、または設計したモジュール/テンプレートに従ってマークアップされてない
  • 納品したコンテンツが公開されて一週間後にサイトを訪れたら、トップページが文法上invalidになっていた

プロジェクトデザインで転ばないために

  • 基本的なワークフロー+「段取り八分」のスタンス
  • 「The Nine Pillars」を参考にスタッフアサインを考えてみる
  • 各プロセス/スタッフ間の役割、コミュニケーションの

プロジェクトデザインをもっと転ばないために

  • クライアントの意思決定層を含め、プロジェクトの関係者全員がWeb標準に一定の理解を
  • ワークフローとスタッフアサインをプロジェクトごとに最適化
  • 常にPDCAサイクルを小さくまわし続ける